先日お金の教育について学びを深める為、欧米におけるお金の教育についての記事に目を通していました。
すると、とても興味深い記事を見つけることが出来たので、ご紹介したいと思います。
【金融リテラシー】
そもそも「金融リテラシー」という言葉にはカタカナが使われており、言葉自体が欧米のものである事を推測できます。
英語ではFinancial Literacyというフレーズになるのですが、「リテラシー」という言葉はそもそも「読み書きの能力」を意味するので、いまいち意味が良くわからない言葉になっています。
ですので、日本語でも分かりやすい言葉に訳すと、リテラシーとは「能力・知恵」というような訳し方ができるので、「金融リテラシー」とは、「お金に関する能力・知恵」と理解していいと思います。
そして今回の筆者が読んだ記事では、金融の専門家が「お金に関する能力・知恵」を若かったころの自分に伝えられるのであれば、どのような内容を伝えたいか、という内容が書かれていました。
【伝えたいことは7つ】
金融の専門家が若いころの自分に伝えたい7つの「お金に関する能力・知恵」は次の通りです。
- 予算管理(支出入管理)
- 少額貯金を頻繁にする
- 投資は誰でもチャレンジするべき
- 貯金の目標を立てる
- 食料品を買う為のお金は食料品の為だけのお金
- 年金について考えるのは早すぎるという事だけはない
- 調子に乗るな
上記のそれぞれの内容について記事内で掘り下げられていましたが、今回のメルマガでは「予算管理(支出入)」そして「投資は誰でもチャレンジするべき」と「年金について考えるのは早すぎるという事だけはない」について記事に書かれていた内容を紹介します。
【予算管理(支出入管理)】
Bestinvest社でパーソナルフィナンシャルアナリストのアリス・ハインさんは予算管理の大切さを次のように話していました。
彼女が大学生になり、初めて学生融資を受け取ったことは、初めて「大金」を手に入れる時となったそうです。学生融資は大学生活を支える為に使うべきお金なのですが、彼女は融資で手に入れたお金を、大学の新しい友達とのスペイン旅行費用に当ててしまったそうです。
もちろん旅行自体は大切な思い出となっているようですが、お金の管理という側面では反省もあり、若いころの自分に対し、まずは大学生活で必要な家賃や光熱費、そして食費などのをしっかりと計算し、毎月の支出を把握した上で、学生融資に加え、親からの仕送り、バイトなど、収入がどれくらいあればいいのかを計算することを大学生活の初めにやるように伝えるという事でした。
そして特にこれから大学生活を送る人たちにはこの支出入の管理は大切になると言っています。なぜならば、現在インフレ傾向が顕著であり、今後もインフレが続くと考えると、現在持っているお金の価値自体が減少してしまうからだと言っています。
お金の教育ではお小遣いを「稼ぐ・使う」という学びを通じて、「稼いだお小遣い」よりも多くのお金を「使う」事が出来ないということを学びます。さらに、1000円以上するモノを買いたいと思ったら、手元にその欲しいものを買うお金があっても、本当に欲しいかどうかを吟味するために、その欲しいものの為にお金を「貯める」という事にも取り組みます。
このような教育に取り組む事で、子供たちは自然と支出入の事を学ぶことができるのです。
もしこのような経験を重ねた子供たちが大学生になったら、どのような「お金に関する能力・知恵」を発揮してくれるのでしょうか?
もちろん、アリスさんのようにスペインへの旅行は大学時代の大切な思い出となるので、お金の使い方としては間違った方法だとは思いませんが、その予算の捻出の仕方は大学融資を使ってしまう方法以外にもあるのかもしれません。
さらに、お金の教育を受けていれば、既に「運用する」事にも取り組んでいる可能性もあるため、大学生活を送るための生活費をアルバイトなどで稼ぎつつ、さらには運用資金も稼ぐことで、少しずつ出来ることから大学卒業後の自分の為に経済力の準備を進める事が出来るかもしれませんね。
【投資は誰でもチャレンジするべき、年金について考えるのに早すぎるという事はない】
次はお金の教育の「運用する」事にも通じる内容となります。
まずは、「投資は誰でもチャレンジするべき」で掘り下げられていた内容です。GoHenryというお金の教育のアプリサービスを展開している会社の共同創業者でもあるルイーズ・ヒルさんは、投資を始めたのは50歳になってからだったと言っています。しかし実際に投資を始めると、もっと早くに始めておきたかったと言っています。
また若い世代には「株は下がるかもしれないけど、上がるかもしれない!」ので、最近の少額投資やアプリサービスなどを使い、ぜひ少額でもいいので投資経験を積むべきだと言っています。
次は「年金について考えるのは早すぎるという事だけはない」という事ですが、フィデリティ証券インターナショナルのエマ・ロウ・モンゴメリーさんは、もし若いころに積立によって働く「複利」の力を知っていたなら、18歳から年金貯金(イギリスの制度)を始めただろうと言っています。
そして若い人たちには、缶ジュースを買うお金など少額でもいいから、個人年金に取り組み始める事をアドバイスしています。
なぜならば、「複利と時間」を自分の味方につけられるからです。
【まとめ】
通常は筆者の視点からお金の教育について思う事や考えることを綴っておりますが、今回のメルマガでは金融の専門家達が考えるお金の教育に対する考えを覗いてみました。
いかがでしたでしょうか?
筆者の感想としては、欧米でも日本でもお金の教育に対する考え方に大きな違いはなく、共通している考え方の一つに出来るだけ早い内から取り組んだ方が良いという点があげられると感じました。
家庭で取り組むお金の教育は少々手間に感じるところもあるかもしれませんが、保護者のみなさまの力の限り「お金に関する知恵・能力」を手に入れる機会を子供たちが得られればいいなと思ってます。
補足情報のサイト:
記事:Finance experts on the money lessons they wish they could tell their younger selves
メルマガ:お金の教育が大切になる理由
メルマガ:お金を「使う」際の自制力が養われました
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