勉強にやる気が起きない子どもにやる気を与える方法

お金の教育

前回のメルマガでは「自分の事なのに、お金をあげなければやらないようになってほしくない」という不安に対して筆者の考えと経験を紹介しました。

今回のメルマガでも、同じテーマについて少し別の角度から考えてみたいと思います。

【子どもの興味・好奇心・意欲】

子どもにとって意欲的に出来ることとそうでないことの違いは実はやる気のからくりが大きく関係しています。

まず親が言わなくても率先して取り組めることには、その背後に「興味・好奇心・意欲」が働いています。これは「内発的動機付け」が生み出しているものです。

筆者の子供達を例にあげるならば、長男は自主的に朝ごはんを作ったり、歌を覚えて歌ったり、段ボールや文房具で工作をしたりします。これらの事に関しては筆者夫婦がやってみたら?と促すことはありません。なぜならば「内発的動機付け」が生み出す「興味・好奇心・意欲」が働き、自主的な行動を生み出しているからです。

長女はお兄ちゃんのように、朝ごはんを作ったり、歌を覚えたりはしませんが、塗り絵を一生懸命やったり、絵本を1人で読んだりします。次女は音楽がかかると1人で踊りだします。お姉ちゃんは踊ったりはしません。

我が家の3人の子どもたちは、それぞれに「興味・好奇心・意欲」があり、働く対象が異なります。これはそれぞれ固有の「内発的動機付け」を持っているのだと考えることが出来ます。

子どもたちと同じ保育園に通っている子どもたちの中で毎日図鑑を熱心に読むような子どもがいたりします。このような子どもたちにはおそらく「学ぶ」ことに対して「内発的動機付け」が働いているのだと考えることができますね。

ですので、「内発的動機付け」という視点から見れば、筆者の子どもたちも、図鑑を熱心に読む子供たちも、そう変わりはないわけです。興味があることにただ取り組んでいるだけですので。

しかしながら、社会が「学歴社会」である事から熱心に図鑑を読むような子どもは確かに目立ちますね。

筆者もどのような子育てをしたらこうなるの???と考えた事もありました。

しかしながら、やる気のからくりから見た場合、筆者の子どもが料理をしたり、工作をしたり、塗り絵をしたり、ダンスをしたりするのと同じように、「かしこい」子どもは図鑑を読むのです。「育て方」ではないわけです。
学歴社会から見た場合の才能の違いはあるかもしれませんが、やる気から見た場合、それぞれが好きなことをやっているに過ぎないのです。

【学校生活を送る為の勉強】

いざ子どもたちの学校生活が始まると、やはりこの社会は学歴社会だなと感じるようになります。

学校で多くの時間を割いているのは科目を教えることです。

料理をすることや歌を歌う事、塗り絵をすることやダンスをすることに対して時間を割いてはくれません。

そして学校生活を順調に送りたければどうしても勉強は避けて通れないテーマとなってしまいます。

「かしこい」子どものようにそもそも勉強に「内発的動機付け」が働いていればいいのですが、そうではない子どももいます。

ではどのようにこの勉強というテーマを乗り越えればいいのでしょうか?

【外からやる気を与えてあげる】

答えは勉強に対するやる気を増やしてあげるという事です。

「内発的動機付け」が働いていないのであれば、「外発的動動機付け」を与え、やる気を増やしてあげるという事です。

ちょっと面白いことを考えてみましょう。

たしかに「かしこい」子どもにとっては、勉強は楽しいかもしれません。

しかしもしこの社会が実務主義で、料理をしたり、歌を歌ったり、塗り絵をしたり、ダンスをしたりすることを重んじるとしたらどうでしょう?

「勉強」に対して「内発的動機付け」が働いていて、料理なんかに「興味・好奇心・意欲」が働いていなければ、「料理なんてやりたくない!」と反抗するかもしれませんね。

実は勉強に対して「興味・好奇心・意欲」が働いていない子供にとっては「勉強する」ことは、料理に興味がない子どもにとって「料理をしろ!」と強制することくらい理不尽なことかもしれませんね。

それでも社会がやはり「勉強」を社会人に成長するプロセスとして義務付けている以上、保護者は子どもにどうにか勉強させる必要があるわけですね。

そしてこの場合、やはり保護者が与えてあげることが出来るやる気をできるだけ多く与えてあげるという事が正解の一つとなるように考えているのです。

【褒める、認める、報酬を与える、諭す】

筆者夫婦が長男に勉強習慣を身に着ける為に与え続けた「外発的動機付け」は褒める、認める、報酬を与える、諭すという4つです。

まず、褒める・認めるは口頭で行う事ですね。勉強をしている姿を見かけたら、頑張ってるね、と一声かけることです。そしてテストで結果が出れば褒めてあげます。もちろん、日々努力していることをタイミングをみてしっかりと褒めることもしています。先日三者面談で先生から勉強習慣を褒めてもらったという事を聞いたので、夜ごはんの際に筆者もその話題をあえて出して長男によく頑張ってるねと伝えました。このような取り組みが褒める・認めるという内容です。

そして報酬はお小遣いを稼がせるという事です。

筆者の体感ですが、言葉で褒めて、認めて、報酬はその気持ちや言葉を具現化する、形にする効果があると感じます。会社の上司が褒めてくれたことに、ボーナスが支給されると「言葉だけじゃ無かった、ちゃんと評価してくれたんだな」と実感が残るのと同じ効果のような気がしています。

そして最後は諭すという事です。これは勉強をしなければ高校の選択肢が狭まるという事を言い聞かせています。

もっともっと方法があると思いますが、筆者夫婦が継続して与え続けることが出来ているやる気はこれらの褒める、認める、報酬を与える、諭すとなります。

そして結果は、というと、前回のメルマガでもお伝えした通り、理科に対しては彼自身の「内発的動機付け」が働くようになりました。

そして勉強習慣も作り上げることが出来ました。

さらには金融教育も進めることが出来たのです。

【やる気が湧かなければやる気を与えてあげる】

勉強に「内発的動機付け」が働いていない子どもたちにとって、勉強をさせる事は、料理に全く興味がない人に料理をさせるのと同じような事です。

こう考えると、とても理不尽なことなのかもしれませんよね。

そして興味が湧かないことに向かわなければならないのであれば、保護者は子どもたちに外からやる気を与えてあげるという選択肢が残されているのです。

𠮟り飛ばすというのも実は「外発的動機付け」の一つですが、叱り続けることは保護者の体力も消耗するので、その場では効果があるかもしれませんが、意外と長くは続きません。

筆者にとっては褒める、認める、報酬を与える、諭すという4つの方法が長期的に使えた方法となりましたが、読者のみなさまがやる気を外から与えてあげる際に何かのヒントになれば幸いです。

補足情報のリンク:
コンテンツサイト:金融教育と子どものやる気の関係 
メルマガ:勉強でお小遣いを稼がせると、お金をあげなければ行動しないような子供になってしまうのではないですか? 
メルマガ:「外発的動機付け」の種類
note:『やらされる事』と『やりたい事』の違い

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