「外発的動機付けを上手に利用する」

お金の教育

前回のメルマガで子供たちにとって「お小遣い=お金」がどのようにやる気を与えてくれるかということについて考えてみました。

今回は少し「やる気」について考えてみたいと思います。

【2種類のやる気】

やる気を出すものは大きく2つに分類されており、一つは内部から出る内発的動機づけとなり、二つ目は外部から刺激を受けて出る外発的動機付けというものの2種類があるようです。

【内発的動機付け】

内発的動機づけとは本人の興味や好奇心など、本人が進んで取り組むような事柄に働くやる気を指すようです。

お金に関する事で言えば筆者の中学2年生になる長男は「タダでゲットする」「より安くゲットする」さらには「ポイントを貯める」ということにおいては強い興味が働いているようで、筆者が特に取り組むように促すこともなく、これらの事は本人自ら意欲的に取り組んでいます。

また、ご褒美などは無くても「遊ぶこと」に繋がる事には意欲的に参加する傾向があり、先日行われた5歳児の長女の「田植え」のイベントに筆者や妻が参加を強く促すこともなく、本人自らとても意欲的に参加していました。

長男において「内発的動機付け」を考えるのであれば、彼は誰かに強く進められるわけでもなく、「お金をより使わないこと」に取り組んだり、「遊ぶ事」に取り組めるのは、彼自身の「内発的動機付け」によってこれらのことに取り組むやる気を作り出しているということになるのだと考えることが出来ます。

【外発的動機付け】

次に「外発的動機付け」による「やる気」を考えていきましょう。

「外発的動機付け」とは外部からの刺激によって作り出されるやる気を指すようです。例えば「叱られる」、「報酬がもらえる」事などは外発的動機付けになるようです。さらにこの事を勉強において考えてみると、「先生に怒られない為」、「学校で恥をかかない為」なども「外発的動機づけ」となるようです。

先ほど例に長男は、勉強に対しては、「内発的動機づけ」が働いているように感じた事がありませんでした。

ですので、「お金をより使わないように」積極的に取り組んだり、「遊び」に関連している事であれば保育園児に混じっても田植えに参加するような意欲が勉強に対しては働かないという事になります。

しかしながら勉強が好きではなかった長男も「高校受験」という事は視野に入っており、学力に応じて行ける高校が決まってくるという事は理解するようになってきたようです。

またこの学力に応じて入れる高校が決まるという事は彼にとっては「自分の将来」を左右する事にもなるので、徐々に事の大きさに気づくことでさらに「外発的動機づけ」が働くようになってきているとも考えることも出来ます。

また我が家では、お金の教育に取り組む中、彼に対しては「勉強に取り組む事」を「作業タスク」として設定している為、勉強をしてお小遣いをもらうという事が「外発出来動機付け」として働いており、勉強になかなか一生懸命に取り組むことが出来なかった長男も、今では朝早起きして学校の予習をする、帰宅後は復習をするという事が習慣となりました。

もちろんテストの点数が上がるかどうかは彼の取り組み方法にもよると思いますが、少なくとも「外発的動機付け」を上手に活用した事で、テストの点数を上げる為の「勉強の習慣作り」は作り上げることが出来たのかもしれません。

【外発的動機付けを上手に活用する】

筆者が家庭でお金の教育に取り組む前までは子育てにおいて子供の「やる気」や「意欲」が一つの取り組み課題となっていたように感じます。

特に勉強をしたがらない子供に向きあったり、意欲的に習い事に取り組まない子供と向き合う際、どうしてなのだろうか?と悩むこともあったように思います。

またやる気を作り出すものに「内発的動機付け」と「外発的動機付け」による2つの種類があるという事が分かる前は、「内発的動機づけ」による「やる気」こそ「結果を生み出すもの」と決めつけ、今振り返って考えると「外発的動機付け=やらされている」、さらに、「やらされる=結果に繋がらなに」と決めつけ、どこか「外発的動機付け」を認めていないような偏った考え方をしていたようにも思います。

ですので、自分の子供の「意欲」と他の子供の「意欲」を安易に比べ、「〇〇君は自ら意欲的に勉強に取り組んでいる」、「〇〇君は自ら練習に取り組んでいる」と「内発的動機付け」が働いている事が何よりも優れていることであるかのように考えていた傾向があるように感じます。

しかし、金融教育にでお小遣いを「稼ぐ」ことに取り組む中で、「やる気」を作り出すものが「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2つの種類があり、その二つともやる気を作り出す上では大切な要因である事を知ることで、この偏った考え方が徐々に変化していったように感じています。

そして筆者自身がこの「外発的動機付け」を利用し食生活の改善に取り組む中で、「外発的動機付け」はやる気を作り出し、さらには「結果を手に入れるために」とても大切な働きをしてくれるということにも気が付くことが出来ました。

前回のメルマガでもお伝えした通り、筆者は「食生活の改善」に取り組んでいます。

筆者にとって「食べる」事は楽しみであり、ストレス解消でもありました。しかし体重増加が進む中で自身の日常生活を見直す必要が出てきていたのも事実であり、もともと運動好きという「内発的動機付け」があったので、「ランニング」に取り組むという生活改善には取り組むことが出来ていました。しかし食生活の改善にはなかなか取り組むことが出来ず、走った分食べてしまい、なかなか増えた体重を減らすということには至りませんでした。

その中で健康診断で受け取った「血糖値が高め」という結果は、筆者にとっては強い「外発的動機付け」となり、結果的に「食生活の改善」に取り組む為のやる気を得ることが出来たのでした。

【無くても大丈夫】

実際にお金の教育に取り組むようになり、この「外発的動機付け」はやる気を作り出す上でとても大切な役割を持っているという事が分かるようになりました。

以前の筆者は「意欲」や「自ら取り組む」という事を美化し過ぎていた為、「外発的動機づけ」を「やらされている」と決めつけ、さらには「やらされているうちは結果がでない」とさえ思っていました。

しかしながら作業タスクを設定してお小遣いを「稼ぐ」という取り組みを通じ、子供が勉強習慣を作り上げたり、以前のメルマガでも触れたように「兄妹喧嘩」を少しでも減らそうと取り組んだり出来るようになるところを見ると、「やらされている」と決めつけていた「外発的動機付け」でもしっかりと結果を出しているということに気が付くようになったのです。

また筆者自身の事でいえば、「健康診断の結果」という「外発的動機づけ」が得られた事で意欲的に取り組むことが出来なかったことに取り組めるようになりました。

「外発的動機づけ」は一見すると「やらされる」事に見え、以前の筆者のようにイメージが悪いと捉える方がいるかもしれませんが、「やる気」を作り出す為には「内発的動機付け」と「外発的動機付け」がある事が研究でも分かっており、またどちらから作り出された「やる気」であったとしても本人が手に入れる「やる気」には変わりません。

子供たちが「やらなければならないと分かっている状態」はすでに「外発的動機付け」が働いている状態とも考えることができます。

ですので、子供たちが「やらなければならないと分かっている事」を上手に作業タスクに設定し、少しでも取り組む際の「やる気」を加えてあげられたら、子供たちも「やらなければならない事」に少しは取り組みやすくなるかもしれませんね。

「やる気」のからくりは奥が深いので筆者が綴った事が「やる気」の全てを解明しているとは考えていませんが、もし「子供のやる気」で悩んでおり、何かの解決を得ようと模索しているとすれば、今回のメルマガが何かの答えを掴み取るきっかけになってくれれば幸いです。

補足情報のリンク:
note: 中1男子がすすんで水筒を洗うようになった教育法
note: 子供のやる気を出させるためには〇〇を理解しておいた方が良いそうだ
note: 中1男子と5歳児のやる気を引き出す教育法
メルマガ:作業タスクの設定と深い関連がある「やる気」を作るもの「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」
メルマガ:金融教育とやる気の関係

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