今年の4月よりすでに日本でも高校生を対象に金融教育が開始されました。この金融教育のゴールは「金融リテラシー」を上げていくこととなっていますが、では「金融リテラシー」とは実際のところどのようなスキルを指しているのでしょうか?
GAZKID$ – ガズキッズがこれまでに学んだことを通じて、具体的な「金融リテラシー」スキルについて一緒に考えて行きたいと思います。
【政府が定める金融リテラシー】
まず「金融リテラシー」とはどのようなスキルを指すのか、アメリカと日本の政府の定義を確認してみましょう。
まず、日本の金融庁が掲げた「最低限身に付けるべき金融リテラシー(お金に対する知恵または知識)」とは次の4つのスキルを指すようです:家計管理・生活設計・金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択・外部の知見の適切な活用。
次にアメリカは「金融リテラシー」をどのように説明しているのでしょう?アメリカの財務省が各省を率いて編成しているFinancial Literacy and Education Commission(金融リテラシー教育委員会)では次のように説明しています。「人々が目標を達成するために個々の経済的決定と行動を起こすためのスキル、知識、ツール。(skills, knowledge and tools that equip people to make individual financial decisions and actions to attain their goals.)、GAZKID$訳」と定めています。そして「デジタル金融サービスを効果的に使用するために必要な知識とスキル。(“the knowledge and skills required to use digital financial services effectively.”)」という文言を足すべきではないかという議論があるようです。
【実際に金融教育に取り組んでみて分かる金融リテラシーにおける具体的なスキル】
政府の説明は包括的であるので、「金融リテラシー」が具体的にどのようなスキルを指しているかがなかなか想像しづらいところがあるかと思います。
ですので、これまでにGAZKID$が学び得た事を元に「金融リテラシー」という単語で意味している具体的なスキルを紐解いていこうと思います。
【家計管理】
まず、日本政府が定めた「金融リテラシー」向上の為に学ぶべきこととして定めている「家計管理」を見ていきましょう。
これには実際に「お金を稼ぐ」事、そして「お金を使う」事を含む表現であると考えることができます。
さらに金融庁が発行している「最低限身に着けるべき金融リテラシー」というパンフレットには「適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)の習慣化」という言葉が補足されています。
ですのでまずは金融リテラシーにおいてはお金を「稼ぐ」そしてお金を「使う」事が取り組みテーマとなると考えることが出来るでしょう。
GAZKID$では家庭で取り組む金融教育サービスの開発に着手しすでに1年以上が経過しています。その中で学んだ事からもう少しこのお金を「稼ぐ・使う」事について掘り下げていきましょう。
【稼ぐ】
まずは「稼ぐ」ことについてです。
家庭で取り組むお金の教育で子供たちが真っ先に取り組む事はこの「稼ぐ」事です。
子供たちは保護者が設定した「生活・勉強・習い事」に関する「作業タスク」を行い、お小遣いを「稼ぐ」ことになります。
そしてこの「稼ぐ」事の学習がすすむことで、子供たちは「稼ぐ」事ができるお金の上限、限界を知るようになります。
これは「使いたい」お金と自分がお小遣いで「稼ぐ」事が出来るお金を比べることで実感が進みます。
そしてこの「稼ぐ」限界を知ることが、「稼ぐ」事の学習で大切な「稼ぎ方」へと学習を進ませてくれることになるのです。
GAZKID$でまずお勧めする「稼ぐ」方法を増やす方法に、家庭内で不要なものを「メルカリ」で販売するという方法があります。
子供たちも使わなくなったおもちゃやトレーディングカード、さらにはゲーム機やゲームソフトなどを販売するということに取り組む事が出来ます。
金融リテラシーで定めている「収支管理」の収入の部分は実は「自分がいくら稼げるか」を知り、さらにその「稼ぎ」を増やせる方法をより多く身に着ける事が「金融リテラシー」のスキルが高いということになるのだと考えることができます。
【使う】
次に「お金を使う」というテーマについてです。「収支管理」の支出の部分に当たりますね。
金融庁が補足した「赤字解消・黒字確保」を成功させるにはもちろん「稼ぐ方法」を模索し、より多くお金を「稼ぐ」という方法もありますが、実は「使い方」も学ぶ必要があるのです。
GAZKID$では家庭で取り組む金融教育のゴールを究極的にはFIRE(経済的自立、早期引退)することができるスキルの習得と考えていますが、このFIRE出来る状態を手に入れるまでは「使う」事のゴールを「お金を使う際はなるべくお金を使わないようにする」と考えています。
またお金を「使う・使わない」を考える場合は、その購入対象が「必要なもの・欲しいもの」でわけて考えるようにも教えます。
例えば、生きていくために水分は必要です。ですので、「水」は必要なものに分類されます。しかし「ジュース」はどうでしょう?これは「欲しいもの」と分類されます。
このように生きるために「必要なもの」にはお金は使う必要があります。しかし「欲しいもの」は我慢することで、お金を「貯金・運用する」ことに回し、さらにお金を増やすためにお金を使う事が出来るようになるのです。
また先ほど述べた「お金を使う際になるべくお金を使わない」とは例えばより安く買う方法を身に着ける、さらには買う際により多くのポイントを手に入れる方法を身に着けるという事が身に着けるべきスキルとなります。
このようにまず必要なものと欲しいものを知る、さらにはお金を使う際に「より安く、より多くのポイントを得られる」という事は金融リテラシーが高い状態となるのです。
どうでしょう?「金融リテラシー」が少し具体的になってきましたか?
政府が述べる「適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)の習慣化」を実現するためにはまずは「稼ぎを知る事」そして不用品などを販売するという方法を含め、「さらに稼げる方法を身に着けること」に取り組み、さらにはお金を「使う」際、必要なものと欲しいものを区別し、必要なものを買う際も「より安く、そしてより多くのポイントを得られるように」お金をなるべく使わないで使うというスキルを身に着ける事が求められてくるのです。
【生活設計と「貯める」】
金融庁が定める金融リテラシーに「生活設計」という学習テーマがあります。金融庁が発行している「最低期限身に着けるべき金融リテラシー」というパンフレットには「ライフプランとそのための資金確保」というような補足が記載されています。
GAZKID$ではお金を「貯める」という事にも取り組みますが、この「貯める」という取り組みには「短期的な目的で貯める」ものと「長期的な目的で貯める」事に分類して考えています。
「短期的な目的」とは「欲しい靴、欲しい自転車」の為にお金を貯めるという事になり、「長期的な目的」とは「大学の費用、引っ越しの費用、結婚するときの費用」などを考えるように子供たちに促しています。
また大人であれば、「マイホームの為の頭金、家族旅行、子供の学費、老後の生活」など、さらに長期的な目的でお金を「貯める」ということに取り組むようになります。
しかしお金を「貯める」というスキルはどのようなスキルをさしているのでしょうか?
GAZKID$が分かっていることから説明すると、まずは「自分の将来欲しいものや手に入れたい生活」をしっかりと思い描けるようになるというスキルがあげられます。
またお金は手元にあるとどうしても使いたくなるものですから、あるお金が手元に貯まったら、使ってしまう前に「使うことが出来ないように定期預金」などのサービスを利用して「貯める」ことに回してしまうという環境が作られているという事もあげることができます。
金融リテラシーで「貯める」というスキルを上げる為には自分の事を良く知り、自分が将来欲しいものや手に入れたい生活スタイルをしっかりと思い描き、さらにはそのために今あるお金を将来の為に使わずに「貯める」自制心も磨く必要があるのです。
【金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択】
GAZKID$では「運用する」事の学習に取り組むように促しています。
これは「自分の為にお金に働いてもらう」スキル向上となり、金融教育では大切な取り組み課題の一つになります。
政府が定めた金融リテラシーには「金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択」のスキルを手に入れるという事があげられていますが、GAZKID$が学んだ具体的なスキルについて説明してみます。
GAZKID$で「運用する」事に取り組む際、まず初めの課題は「金融商品を扱うための口座づくり」となります。
日本には証券会社が沢山あります。その中から自分にあった証券会社を見つける事から取り組む必要があります。
次に実際に証券口座を開いたら、自分のお金を増やすためにどの会社に投資すればよいのか?さらにはどの投資信託を買えばいいのか?というこのような問いに答えていくスキルも身に着ける必要があります。
そして5年後、10年後に「自分の為にお金が稼いでくれた」状態を作り出した人が「運用における金融リテラシー」が高いことが証明されるのです。
そもそも運用することにおいては「利益を生む」事に取り組む事がゴールとなっており、世界的に有名な投資家であるウォーレンバフェット氏によれば、損をする事は投資のルールから外れるという事も語っています。
すなわち、投資に負けは不要で常に勝つという常勝スキルが求められているという事になるのです。
損をしないで利益を生む運用スキルを磨くことこそ、運用における金融リテラシー向上への道となるのです。
こちらのテーマにおいてはすでに投資を始める時に知っておきたい3つのルールの記事で詳しく述べているので参考にしてみてください。
【外部の知見の適切な活用】
最後のテーマですが、これはアメリカ政府が金融リテラシーのテーマに含みたいと考えている「電子ツールの活用」をあげることが出来ます。
GAZKID$でも電子ツールの積極的な利用をお勧めしています。
それは収支管理においても電子決済を利用することで自分の収支がすぐに分かります。
また電子ツールを上手に活用することは、メルカリの利用やポイントを手堅く手に入れていく事にも繋がっていくのです。
【金融リテラシーの向上は必要不可欠なスキルである】
GAZKID$が学び得たことから具体的な「金融リテラシー」のスキルについて考えてみましたが如何でしたでしょうか?
「家計管理・生活設計・金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択・外部の知見の適切な活用」と言われてもなかなかイメージしづらかったかもしれませんが、具体的に見ていくことで「金融リテラシー」に取り組む事がお金の事を理解し、お金と賢く付き合っていく上で大切なスキルであることが少しは理解できたのではないでしょうか?
GAZKID$は金融教育のサービス開発を通じて多くの事を学んでいますが、金融リテラシーのスキルアップには5歳から取り組む事が出来るというデータを持っています。
また「運用する」ことに取り組むには「時間」が大切な勝利の鍵となるため、出来るだけ早い内から取り組んだ方がいいことも分かっています。
GAZKID$の社内にはまだ1歳半の娘さんの為に証券口座を開設し、親戚からもらったお年玉をすでに運用に回しているというスタッフもいます。
彼はとても金融リテラシーが高い人と言えるでしょう。
皆様の金融リテラシーがますます向上することを心からお祈りしています!
ぜひこちらの記事も参考にしてみてくださいね:
コンテンツサイト:投資入門
コンテンツサイト:資産運用とは
コンテンツサイト:FIRE -経済的自立、早期引退- とは、またFIREは可能なのか?
コンテンツサイト:貯金のコツ
コンテンツサイト:投資を始める時に知っておきたい3つのルール
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