お小遣いを与える時、金融教育は始まっている

子育て

仕事の情報収集としてネットでお小遣いの情報を探していたら、なんと8割以上の家庭で子供たちにお小遣いを渡しているという調査結果があることを知りました。

10人いたら8人は保護者からお小遣いをもらっているという事です。この数値から考えると、日本では家庭によって開始時期の違いはあれど、ほとんどの家庭で、子供がある年齢に達すると、子供たちは当たり前のように保護者からお小遣い(=お金)をもらう文化があるということになりますね。

社会人になれば分かる事ですが、お金は本来「もらうもの」ではなく、「稼ぐ」ものなのです。

【お小遣いの渡し方】

中学生のお小遣いの相場は?3つの渡し方と小学生・高校生の相場も紹介のサイトによれば、お小遣いの渡し方は3通りあるという事です。定額型・都度型・報酬型です。

まず定額制は毎月決まった金額を子供に渡すという事です。そして都度型は必要に応じてその都度渡すという方法ですね。最後に報酬型はお小遣いを「稼ぐ」という方法になります。当サイトでも既に何度か説明し、お勧めしている方法となりますね。

【それぞれの渡し方の例】

こちらの記事を読んだ際、筆者自身の事を思い出しました。それは筆者が高校生活と大学生活で両親から受け取っていたお小遣いの事と、筆者友人がそれぞれの両親から受け取っていたお小遣いの事です。

まず筆者は「定額制」で高校生になってからお小遣いを受け取るようになりました。記憶が正しければ筆者は毎月5000円程度のお小遣いを両親から受け取っていました。筆者は高校は香港のアメリカンスクールに通っていましたが、この金額は友人と比べると同じか少ないくらいでした。それは周りの友人がお金持ちの家の子供たちが多かったからだと思いますが。

当時の私の友人たちは定額制か都度制かで分かれていましたが、サラリーマン家庭の友人たちは定額制、お金持ちの家庭の友人たちは都度制でもらっていました。

都度制でお小遣いをもらっていた友人たちはもらっている金額に上限はなく、受け取る額も毎週のように数万円受け取っていたことを記憶しています。いずれも香港人の友人です。

例えば、金曜日の夜に友人らが集まって遊びに行くと、決まって親がお財布から日本でいう1万円札をさっと取り出し、これで足りる?という感じでお金を渡していました。さらには、当時の香港は1万円もあれば色々と出来ましたし、数名で飲食したとしても高校生ですので、行く先は一食数百円で食べられるような定食屋のようなところであり、1万円が一晩でなくなるような事はないのですが、もしその1万円が一晩で無くなるような事があれば、翌日また親が「はい、必要な分」といって土曜日分のお金を渡してくれるような感じでした。

【お金の教育の始まり】

当時私は日本人の国籍を持ちつつ、香港では家族ビザで生活していました。さらに私の友人たちも同じようなビザの状況で高校生活を送っていました。ですので、アルバイトなどをするには制約があり、やろうと思えば方法はあるのですが、アメリカンスクールに通っている子供たちが現地のコンビニや飲食店などでアルバイトをするというのは一般的な事ではありませんでした。また言語の壁もあり、やはり高校生のアルバイトは難しかったように思います。

しかしながら高校生になればお金を持ち歩き、お金を使って友人たちと遊びに出かけたりします。映画を見に行ったり、アイススケートに行ったり、カラオケに行ったりと色々と出かける場所には事欠きませんでした。そしてそのお出かけを叶えさせてくれているのが両親から受け取るお小遣いとなるわけです。
これは少し見方を変えると、高校生の間は、働かなくてもお金を受け取ることができ、そのお金で交通手段を利用し、欲しいものや飲食などのサービスを購入しているということになるのです。すなわち、お金を「もらい・使う」という体験学習を積み重ねていることになるのです。

実はお小遣いを与えるという事は特に不自然なことでもなく、日本だけの文化でもなく、香港生活を振り返ると、国籍を問わず、どこの国の親も子供には方法は違えどお小遣いを与えていました。

しかし、現在お金の教育の研究も進み、弊社がお金の教育の事を学ぶ中で、お小遣いを「もらう・使う」という事自体が無意識の内に体験学習の場、すなわちお金の教育の場となってしまっているということに気が付くようになりました。

お小遣いをもらっている内は、お金は「もらう・使う」という経験を積み重ねます。本来お金は「もらう」事は出来ません。お金は「稼ぐ」ものです。

ですので、現実社会において、お金を「もらう」という経験は、子供が成長過程でのみ許される、特別なお金体験となってしまっているという事も言えるでしょう。

【報酬制が現実にもっとも近く、教育的だと考えられる】

お小遣いを渡すことが悪いことだとは考えていません。

しかしながら、お金を「もらう・使う」という体験の繰り返しが現実社会のルールから離れ過ぎていると考えられるのであれば、お小遣いの渡し方も工夫が出来るのではないかと考えられるのです。

もちろん、定額制や都度制でも出来るお金の教育はあります。

「稼ぐ」事は学べなくても「使う」「貯める」という事は学べますし、「貯める」を教えられるのであれば「運用する」という事だって教えてあげることが出来ます。社会に出る準備の為のお金の教育であれば、定額制でも都度制でもお金を「使う・貯める・運用する」の3つのカテゴリーに取り組む事だけで、十分に子供の為になると思われます。

しかし、GAZKID$が学んだ事から見ると、やはり「報酬制」でお小遣いを「稼がせる」事の方が、「稼ぐ・使う・貯める・運用する」という4つの学習カテゴリーにおいて、高い学習効果を得られると考えられるのです。

【お小遣いを与えることはお金の教育の始まりです】

お小遣いを与える家庭は日本社会では8割を超えるという統計があります。

そしてお小遣いを与える以上、お金の教育は少なくともお金を「もらう・使う」という体験学習が始まっていることになります。

アメリカの調査によるとお金の概念的な事は3歳で理解し、7歳くらいでお金の習慣を形成するという事です。

そのような子供の成長がある以上、教育を与えることに意義・意味を問う必要はありません。何歳からでもお金の教育には取り組むことが出来るのです。

実際に我が家では5歳児の長女に対してもお金を「稼ぐ・使う」という教育に取り組んでいますが、しっかりとお金についての学びを深めることが出来ています。意識的にお金の教育に取り組む事はその先に資産形成やFIREに向かっていく下地を子供たちの中に作ってあげることになります。

お小遣いを与える、そして使わせることがすでに体験学習の始まりである以上、その機会をお金の教育の場に変えることを考えても決して損はないと考えてもいいのかもしれません。

補足情報サイトのリンク:
コンテンツサイト:金融教育と子どものやる気の関係 
オンラインマガジン:中学生のお小遣いの相場は?3つの渡し方と小学生・高校生の相場も紹介 

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