動機付けでやる気を伸ばす方法 | お金の教育の副産物

やる気

12月も第二週目となりました。年の瀬に近づくにつれ、来年がそこまで迫ってきている感じがまた一段と強まりました。そしてまた改めて来年へ馳せる思いも強くなるという感じなのではないでしょうか。

時を戻し、10月のニュース記事にて、東アジア人で初めて「ロタ法廷(バチカン裁判所)」の弁護士になった方が紹介されていました。ハン・ドンイルさんという韓国の方だそうです。そして彼の著書「教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流」は世界的ベストセラーとなっているという事です。

そして彼の著書の中で「不純な動機」について扱っている箇所があるそうです。彼が「不純な動機」として取り扱っているのは「もっと人から褒められたい」という動機でした。

GAZKID$では2021年4月よりお金の教育のサービス開発を開始し、お小遣いを「稼ぐ」際に設定する作業タスクとやる気の作り方には深い関わりがあることを知り、やる気がどのように作られるか、そしてこのやる気のメカニズムをどのように作業タスクに反映させる事ができるかなどについて学びを進めて来ました。

【内発的動機付けと外発的動機付け】

やる気を作り出している物は大きく二つに分類することができ、それらは「内発的動機付け」と「外発的動機付け」と呼ばれます。

「内発的動機付け」とは本人の「内側」から作り出されるやる気で、「興味・好奇心・意欲」などが作り出すやる気となります。

「外発的動機付け」は外から受ける刺激が作り出すやる気となり、それらは「報酬・評価・懲罰」などが作り出すやる気となります。実は上述した「もっと人から褒められたい」という「不純な動機」は実は「外発的動機付け」の「報酬・評価」に分類され、しっかりとやる気を与えてくれるものなのです。

【健康改善】

実は筆者にはこの「報酬・評価」を自分でやる気に変え、長期的な取り組みに成功する事ができたことがあります。

以前から公式note、コンテンツサイト、そしてこのメルマガを通じてやる気のメカニズムについて筆者が発見したことや学んだ事を発信してきましたが、やる気の作り方を学ぶ事は、高い目標や長期的な取り組みには有利なスキルとなる事が分かっています。

そして筆者がこのスキルを活用し、長期的に自分にやる気を与え続けて取り組み続けた事は筆者の健康改善でした。

実は筆者は一昨年の健康診断で「糖尿病予備軍」判定を受けてしまい、担当医から「運動に取り組む事」そして「食生活の改善」という2つの指導を受けてしまいました。

筆者の知人で「糖尿病」でとても苦しんだ方がいたので、糖尿病にはなりたくないと強い気持ちを持ち、医師から指導された「運動」と「食生活改善」に取り組み出しました。

結果的に取り組み開始から1年後の健康診断の際には体重を16.5キロ減、ウェストは13センチ減という結果となり、血糖値の数値も10減となり、医師からは健康上の問題は全くありませんと言ってもらう事が出来たのです。

しかしながら、20分も走れば息があがってしまうような身体でランニングの量をさらに増やすこと、そしてストレス発散で食べるという悪習慣が身についていた筆者にとって、食生活改善は簡単ではない道のりになりました。

しかし一方で、やる気の作り方のスキルを徐々に知り始めていましたので、このままの状態を続けると糖尿病になるという「懲罰」、食生活改善に取り組む際に区が無償で提供してくれた栄養士の半年に渡る毎月の電話サポートで「頑張って体重を落としたらほめてもらえる」という「報酬・評価」を毎日のやる気に変え、約1年に渡る取り組みを続ける事が出来たのでした。そしてこれらの取り組みは現在に至るまで継続させることができています。

【お金の教育とやる気のメカニズム】

お金の教育ではお小遣いを「稼ぐ・使う・貯める・運用する」という4つの学習カテゴリーに取り組みますが、お小遣いを「稼ぐ」際は、「対価」を得ることができる「作業タスク」に取り組みます。

そしてこの「作業タスク」を設定する際に「やる気」を作り出す動機付けを学ぶ事ができるというのが、お金の教育に取り組む副産物ということになります。

お金の教育は「より豊かな人生を実現する」為のお金に関する能力と知恵を身に着けますが、「やる気を作り出す事を知る」事もまた長い人生においては大切な学びとなると考える事ができます。

【やる気の伸ばし方を家族で学ぶことのメリット】

筆者の長男の作業タスクは「早朝に学校の予習をする(100円)」「帰宅後に学校の宿題と復習をする(100円)」そして「水筒を自分で洗う(50円)」という3つを設定しています。またこれらのほかにボーナスタスクとして「兄妹仲良く過ごす(50円)」というものも設定しています。

長男はこれらの作業タスクを既に1年8カ月続け、早朝と帰宅後の勉強習慣は身に付き、水筒を洗う事もしっかりと習慣化出来ています。

しかしながら、勉強習慣が身についた事でテストの点数が著しく上がるという事にはなりませんでした。やはり勉強の質を改善する事にも取り組みが必要である事が分かってきたのです。

彼は十分に勉強をしてると思っています。そして筆者夫婦が見ても、勉強時間という意味では彼なりにしっかりとやれていると考えています。しかし、勉強中の質を上げることが必要であり、テストの点数を上げるためにはその質を上げなければなりません。

しかしながら、筆者はやる気の伸ばし方のスキルを徐々に高められていたので、彼には次のような「諭し」を与えてみました。

  • 1つ目の「諭し」:テストの点数が上がるように勉強方法を工夫し、勉強の質を上げなければ、テストの点数を上げる事ができなくなってしまう
  • 2つ目の「諭し」:テストの点数を上げる事ができないと、選択できる高校が少なくなってしまう
  • 3つ目の「諭し」:友達が選択する高校に自分も行きたいと思っても、その願いを叶えることができなくなってしまう

まず上記の根底にあるのは、彼の「内発的動機付け」なのですが、彼には「友達と過ごす」ということに対し「意欲」が強く働いています。ですので、友達と過ごす時間は彼にとっては本当に楽しい時間であり、大切な時間となっています。

そして彼にとっては「内発的動機付け」として「意欲」が働いている「友人達と過ごす時間」が失われるという事は彼にとっては「懲罰」になり得ます。

ですので、彼のこのような特徴を理解した上で、筆者は勉強の質を上げる事ができなかった際の「懲罰」を明らかにしてみたのです。

この「諭し」がどれほど彼のやる気になっているかは、彼が大人になり自分の「やる気」を説明出来るようにならないと明確には分かりませんが、客観的に見ても、少しずつ勉強に対する姿勢には変化が現れ、勉強の質を上げる為の努力を彼なりにしているように感じることが出来ています。

その現れの一つに、今まではテスト期間中は「予習・復習」などはやらず、「テスト勉強」にだけ力を入れるという取り組み方でしたが、今はしっかりと「予習・復習」に取り組みつつ、テスト勉強をプラスできているようです。すなわち、日々の勉強が既にテスト勉強の土台を作り上げ、加えてよりテストの点数を上げるために不足を補うという方法に気が付くようになったという事だと感じています。

【まとめ】

お金の教育に家族で取り組むようになると、お金に関する能力と知恵の向上に加え、保護者は子どもがどのような物に対し「やる気」を得ることができ、またどのようなものには「やる気」を得ることができないのかを学ぶ機会を得ることになります。

子どものやる気を上手に伸ばしてあげる事ができることは子どもたちにとっても取り組み課題へのハードルは下がることになります。それだけエネルギーを得られるからですね。

年の瀬が近づくと、多かれ少なかれ「来年は〇〇を頑張る年にしよう」と、チャレンジ精神が湧いてくる機会となります。

来年のチャレンジに備え、作業タスクの設定や取り組みが、保護者のみなさまにとって、少しでもお子様の「やる気」を伸ばす方法を知る機会となれば幸いです。

補足情報のサイト:
メルマガ:「自主性を育む」為に「外発的動機付け」を利用する方法 
メルマガ:やる気を作り出すことが出来なければ高い目標へは到達できない 
note:健康診断の数値を改善させた方法 | 継続力の作り方 
note:中1男子と5歳児のやる気を引き出す教育法 
本:教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流 ハン・ドンイル (著) 

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