FIREとは「Financial Independence, Retire Early」という英語のフレーズの頭文字を並べた単語で、日本語では「経済的自立、早期引退」という意味になります。
YouTubeなどで「FIRE 達成」と入力すると、FIREに関する動画が色々と並びます。FIREの達成方法を説明する動画から、FIRE生活の様子を動画にしているものなどがあります。実際にFIREを達成している方の動画を見ていると、海外にプチ移住してみたり、時間と心に余裕がある生活ぶりを垣間見ることができます。仕事に追われ心が乾ききっている状態でこれらの動画を見ると、なんとも羨ましく感じたりしますね。
実際に筆者の友人もFIREしていて、仕事をしなくても経済的には不足どころか余剰資金まで手に入れることが出来るような生活を送っています。
FIREを達成し、仕事をしなくても日常を営むことが出来るなんて羨ましいですね。夢のような話ですね。
しかしながら、この夢のような話が実は取り組むべき人生のテーマの一つであることが筆者の父親と話をして分かってきたのです。
今回はFIREや資産形成を頑張っている一部の人の話ではなく、全ての人が学習すべきテーマであるという事について掘り下げてみたいと思います。
【団塊世代後の父親のマンション購入のお金は退職金ではなかった】
私の父親は昨年、71歳で、仕事を完全に引退しました。彼のキャリアは26,7歳の頃から71歳になるまで、海外で仕事をし続けました。日本で働いたのは就職後数年の間だった事になります。
またキャリアを築いた会社は新卒から定年までは生涯雇用を全うし、一部上場企業のゼネコン企業でキャリアを全うしました。定年後数年は嘱託で同じ会社に残りましたが、そのあとは外務省が所管するJICAという機関で働きました。この間も海外での仕事となりました。
このように海外での仕事が長かった父親が昨年帰国し、今年2月に神奈川県の海沿いの町に中古のマンションを購入しました。
私はこのマンションの購入費用はてっきり退職金や長い海外勤務の生活で貯まった貯金から購入したものだと考えていました。
そもそも通常のお給料に加え、海外勤務手当として毎月30万円程もらっていたという事ですから、お金も貯まったんだろうと思っていたのも自然な考え方でした。
しかしながら、お金の教育のサービス開発の一環で父親にマンションの購入費用について話を聞いたところ、実はマンションの購入費は引退後に作ったお金だという事だったのです。
JICAという機関で4~5年働けたお陰でマンションが買えたという事だったのです。
【団塊世代後の退職金と年金額の目減り】
私自身がお金の教育に取り組むようになり、父親の引退後の生活はとても良い学習対象になっています。一般的には聞きにくいことも親子の間柄ですので、遠慮なく聞くことが出来ています。
最近父親と会うたびに話しているのは実際の老後の年金生活です。
年金で生活はまかなえているのか?年金生活で遊びに行ったり、たまの贅沢などができるのか?など、色々と聞きたいことが募ります。
このような話の中でマンション購入の事を聞いたわけですが、実際の購入費用の出所は、海外勤務の間に貯めた貯金やまとまって手に入った退職金ではなく、定年後に務めたJICAからもらったお給料だったのです。
マンションの購入費用が海外勤務の間に貯めた貯金やまとまって手に入った退職金だと信じ切っていた私にとってこれは寝耳に水のような内容でした。
そして話を進める中で、退職金が想定よりも減額していたという事も教えてもらいました。
父親が就職したのは、50年近く前の事です。当時、退職金はベース給を元に計算されていたようです。しかしながら就職してから20年程経ち父親が40代の頃、退職金は資格給を元に計算されるように変更となったことで、退職金が減額となってしまったようです。すなわち、退職金の算出方法が変わったことで退職金が目減りしたという事です。
社会的に行われた方針転換ですので、一社員がどうすることもできないわけですが、父親とはいえ、少しかわいそうな気もしますね。
しかし現実は希望通りとはいかず、引退後にJICAで働く機会が得られなければ住むところの確保が出来なかったという事ですので、一部上場企業で役職にもついていたような人材でも、お金に困ることはなくとも、悠々自適な老後生活を送ることは決して簡単ではないという事を教えてもらったような気がしています。
更には年金額の事もあります。現在インフレが進む中で年金額は目減りしています。このような状況ですと、生活水準はインフレの上昇と反比例し下げるしかありません。
年金額がインフレ率に連動していれば良いのですが、現実はそうも行かず、不足分は貯金を切り崩すしか方法はないようです。
【現実的な取り組み課題としてのFIREと資産形成】
一部上場企業で役職にもついていた私の父親でさえ、老後の資金は引退後、71歳まで仕事をした上で作り上げています。
そして引退後は年金を受給しながら不足分は貯金を切り崩しての生活となるので、やはり贅沢三昧という訳には行きません。
今までに貯めた貯金や退職金がありますから、趣味のゴルフに毎週行ったり、母親はお友達との外出を楽しんでいますが、それも自分たちの残りのお金と相談しながらの事だと思います。
生活が苦しいという印象はありません。しかしながら本人は引退後は「悠々自適な老後生活が待っている」と思っていたようですので、現実は「悠々自適」とは言えない状況だと言っています。
今の両親の老後の生活を支えているお金は次の2つです。
- 年金
- 貯金
しかし、これは一部上場企業で役職に付き、さらに引退後71歳まではJICAというところで働くことが出来た人の内容です。
もし、個人事業主となった場合、年金の受給額は5,6万円となりますから、65歳で引退し、人生100年と考え、生活費を30万円と考えるなら、貯金は単純計算しても1億円位必要という事になります。「24万円×12カ月×35年」という計算です。
サラリーマンで厚生年金を払い続け、年金を20万円程度受け取れるというのであれば、「10万×12カ月×35年」となり、5000万円位の貯金があれば安心ということになります。
退職金もありますが、もし5000万円をサラリーマン人生で自力で貯金するとなると、毎月10万円程度を貯め続けるということになります。「5000万円÷40年÷12カ月」という計算です。若いころは決して簡単な貯金額ではありませんよね。
このような現実が浮き彫りになる中で、どのような解決を求めれば良いのでしょうか?
そう考えたときに老後にゆとりある生活を送りたいのであれば、FIREや資産形成という取り組みが夢物語ではなく、人生で取り組まなければならないテーマとなるのです。
なぜならば、老後の生活はこれらの取り組み次第でゆとりあるものへと作り変えることが出来るからなのです。
【FIREと資産形成】
資産形成に取り組む事によって、例えば株式であれば、配当金を手に入れながら生活するということも可能になります。YouTubeでGenki Nishida / FIRE LIFEを運営している方も配当金で生活費を手に入れています。
また、資産形成を不動産で行った私の友人は、家賃収入で生活を養うことが出来ています。
お金の教育では「稼ぐ」事に取り組みますが、SNSやブログなどからの広告収入で生活を養うことも選択肢に入れてもいいのかもしれません。過去の記事や投稿からの広告費なども経済的自立への道として考えてもいいかもしれませんね。
私には子供が3人いますが、彼らの老後の為の資産形成にすでに取り組んであげています。
大したことをしているわけではなく、毎日特定の投資信託にそれぞれ200円ずつ積み立てているだけです。2銘柄に積立を行っているので、ひと月約1万円程度を積み立てていることになります。
しかしながら、これを仮に子供たちが65歳になる時まで続け、時間という味方をフルに活用すると、利回り3%を維持できるのであれば、65年間で2400万円になります。利回りが5%であれば、5900万円になります。もし利回りが10%を維持できたとすると、なんと7億7000万円になっています。
65年間の間、1万円を貯め続けても780万円にしかなりませんので、資産運用に1万円を回した方が資産を形成するという意味では効果が得られやすいと思います。
また老後の資金を社会人になってから自分の力で貯めようとすると、企業に勤務し続けるのであれば毎月10万円の貯金をしなくてはなりません。もし個人事業主として国民年金に加入するのであれば、老後の資金の為に毎月20万円貯め続ける必要があります。
現実味がない貯金額に取り組むよりも、今から少しずつそれぞれ1万円でも積み立て投資を行い、老後の資金の為の資産形成を取り組んでいてあげれば、子供たちが成人になった際に積立額を増やすことも出来るでしょうし、少なくとも老後の資金に関しては準備が進んでいる状態で社会人としての生活に取り組む事が出来るようになります。
そしてもし投資に回すお金を増やし、さらに利回りが味方し、資産が数億円を超えるような事があれば、その年その年に増えた分の投資信託を売却し、キャピタルゲインで生活することも出来るようになるかもしれません。もしくは配当を出してくれる資産に鞍替えすることも出来るかもしれません。もしくはこれらの金融資産を元に、不動産を購入し、家賃収入で生活することが可能になるかもしれません。
しかしながら、これらを可能にするのは早期から始める資産形成なのです。
老後資金の問題が現実となっている現代社会では、FIREや資産形成は現実に取り組むべき課題となっています。1人でも多くの人がこのことを知り、自分たちの老後の準備をし、ゆとりある老後の生活を手に入れて欲しいと願っています。
補足情報のリンク:
外部サイト:積立かんたんシミュレーション
コンテンツサイト:1億円貯めなければ老後は困ります、、、
note:退職金制度や年金制度だけでは悠々自適な老後を約束してくれない、、、
YouTube:Genki Nishida / FIRE LIFE
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