先日Yahoo!ニュースで読んだ記事に、FIRE(経済的自立、早期引退)した人がコンビニに行かない理由について書いてありました。
なぜFIREした人はコンビニに行かないのでしょうか?また筆者の知人でFIREした友人が計3名いますが、彼らはコンビニが大好きです。
金融教育という視点から見て、彼らの違いについて少し触れていきたいと思います。
【徹底した物欲コントロール】
まずはYahoo!ニュースの記事で特集されていた桶井道(おけいどん)氏について掘り下げたいと思います。
記事を要約すると、彼は25歳から投資を始め、47歳で資産1億円を突破し、2021年に会社を退職し、FIREしたという事です。
そのような彼の「節約」に対する発言が記事に掲載されていたので抜粋します。
「会社員時代の年収は400万円台で、投資のタネ銭を作るためにはどうしても節約が必要でした。その習慣が今も続いていて、たとえば私はコンビニにできる限り行かないようにしています。と言うのも、コンビニは誘惑が満載で、無駄遣いの温床になるからです。」そして記事は次のように続きました。「まさに「お金がお金を稼いでくる」理想的なFIRE生活を送っているはずなのだが、そのウラには徹底した「物欲のコントロール」があるというから驚きだ。」
確かに「物欲」は支出をコントロールする上では乗り越える必要がある課題となります。そして涌井氏の言葉を借りれば、コンビニは「誘惑が満載で、物欲の温床」となるわけです。
以前、筆者が書いた記事で、お笑い芸人の厚切りジェイソンさんもFIREしているという内容について触れたことがありましたが、彼も実は「コンビニに行かない」ひとりだそうです。
FIREする事とコンビニ行かないことには何か関連性があるのでしょうか?
【FIREするまでのプロセス】
実はFIREすることにチャレンジしようとすると、涌井氏の発言の通り、「投資のタネ銭」が必要になります。すなわち投資する為のお金を作る必要が出てくるといういう事です。
親族からの相続財産を受け継ぐ、交通事故などで保険金が入ってくる、宝くじに当たるなどの特別な収入がない限り、実は「投資のタネ銭」はコツコツ増やすしか方法がありません。
さらに涌井氏は当時年収が400万円台であったという事から、いったいいくらくらいのお金を「投資のタネ銭」に回すことが出来たでしょう?数万円から10万円程度だったかもしれません。
実は投資に取り組もうとすると、所得が低ければ低いほど投資に回せるお金は少なくなることが分かります。
ではどうすればそのお金を増やせるのか?それは出費を減らすこと以外にありません。
現在一億円以上の資産を形成し、すでにFIREを手に入れた涌井氏が投資に取り組んだ頃、投資に回せるお金には限りがあったことと思います。
そのお金を増やしたい一心で彼は「コンビニに行かない」という方法を編み出したのだと推測することが可能です。
【投資のタネ銭の作り方の違い】
それでは次に筆者の友達でFIREした人たちを探っていきましょう。
まず、筆者の友人と涌井氏の違いは「投資のタネ銭」の作り方です。
個人的な話も含むので表面的な説明となりますが、涌井氏がコツコツ「投資のタネ銭」を増やした一方で、筆者のFIREした友人の二人は特別な収入を手にいれる事が出来たケースでした。そしてもう一人の友人は、不動産の運用によって「投資のタネ銭」を増やすことに成功しました。
また収入面で考えると、涌井氏の若いころのお給料が400万円前後であったとありますが、筆者の知人の1人は同じくらいの給与水準だったと考えることが出来ます。しかし他の二人は800万~1000万円以上のお給料を手にしていたと考えることができます。
涌井氏と筆者の友人3名はみなFIREしておりますが、道のりの違いはあれど、内1人はコンビニに行かないようにし、残り3名はコンビニを愛用していることが分かっています。
ではコンビニに行く行かないの差は実際にどのような違いと考えることが出来るのでしょうか?
【様々な視点】
FIREする為の「投資のタネ銭」という側面から考えると、給与水準が高ければコンビニに行く行かないに関係なく、「投資のタネ銭」は作れるように思えます。
しかし給与水準が低い場合、コンビニに行かないなどして少しでも「投資のタネ銭」を増やした方が良いように感じます。
ですので、給与水準が高ければ別にコンビニに「通いながら」でもFIREの為の資産形成に取り組む事が出来るかもしれません。
しかしながら、このコンビニに行く行かないの差は「投資のタネ銭」という側面のみならず、金融リテラシーの高さという側面もあるのです。
【金融リテラシーという視点から見る】
家庭で金融教育に取り組む事のゴールの一つは「金融リテラシー」の向上です。これは間違いありません。
そして今回のコンビニに行く行かないは、家庭で取り組む金融教育の「(お金を)使う」ことに深い関連性があると考えることが出来ます。
家庭で金融教育に取り組む際の「(お金を)使う」というテーマでは、電子決済に取り組むのみならず、お金を使う対象を「必要なもの・欲しいもの」の二つに分けるという事を学びます。さらに「お金を使う際にお金をなるべく使わない」という事も学びます。
そしてこれらのテーマに関してスキルアップした状態は金融リテラシーが高いという状態になっていきます。
【筆者の例】
実は筆者はまだ到底FIREするという状況には届きませんが、そのくせ、コンビニが大好きです。
商品開発において色々と投資なども学んでおりますが、涌井氏の25歳の頃と同じように筆者自身も「投資のタネ銭」が必要です。
しかし、実はこの「コンビニは誘惑が満載で、無駄遣いの温床」であるという記事を読んでから、何か「欲しいもの」がある場合、具体的には晩酌の飲み物ですが、これらの飲み物を買う際にコンビニ以外を試してみました。
実は仕事が終わって晩酌を買いにコンビニに向かうのはちょっとした気分転換と幸せなルーティンでした。また、コンビニ専用の決済アプリを使用することで毎週のように無料のアルコール飲料をゲットしていたので、無駄遣いどころかコンビニで買う方が「お得」と考えていました。
しかし記事を読み、近所のスーパーを試しにのぞいてみたところ、コンビニで購入するようなアルコール飲料が半額以下で販売されていました。
筆者が最近よくコンビニで買っていた飲み物はちょっとしたチューハイのようなアルコール飲料で、レモンチューハイやちょっとしたカクテル気分を味わえるようなものをコンビニで買っていました。だいたい価格帯は150円~200円というような感じです。そして時々ビールを買うのですが、それは200円前後といった感じです。
しかし同じような飲料をスーパーで見てみたら、なんとビールは発泡酒ではありますが、糖質70%オフのモノが100円を下回る価格で売っており、チューハイもスーパーのオリジナル缶なのだと思いますが、ロング缶でも100円前後だったのです。
これには筆者も驚いてしまいました。
確かにコンビニに行けば毎週のように無料でアルコール飲料を手に入れることが出来ますが、同じようなアルコール飲料をコンビニとスーパーで買うのとではそれだけで100円~200円近い差になっていたのです。
なんて自分は金融リテラシーが低かったのでしょう(笑)
【コンビニよりも、、、】
現在筆者は夜の晩酌用のアルコール飲料を買う際は、コンビニには足を向けず、スーパーに行くようにしています。
一回のお買い物で200円近くの差があるのだとすれば週に1回行っただけでも、無料でもらえるアルコール飲料分の出費が抑えられますからね。
コンビニでアルコール飲料を買うという行動をスーパーで買うという行動に変えられたことは筆者の「金融リテラシー」がまた少しスキルアップしたということになるのです。
【コンビニとコンビニ以外で買う際の金額の差】
筆者の友人でFIREしている人は3名いますが、彼らは現在でもコンビニを愛用しています。一方でYahoo!ニュースで取り上げられていた涌井氏は「投資のタネ銭」の為、コンビニにはなるべく足を向けないようにしていたという事です。
コンビニが「無駄遣いの温床」というのはむしろコンビニの企業努力であり、それだけコンビニには魅力的な商品が置いてあるという事です。さらに購買の際の満足度もスーパーと比べると高くなるような研究が進められているのだと思います。
しかしながら、金融教育に取り組む中で現在「(お金を)使う」事を学ばせているのであれば、やはりゴールは「お金を使う際は出来るだけ使わない方法」を学ぶということになります。
最終的には出費が収入を超えなければ良いという事ですので、何もコンビニを避ける必要はありませんが、金融リテラシーに取り組み、お金との付き合い方を学んでいる際はまずは「必要なものと欲しいものの違い」を学んだ後、コンビニ以外で買う選択肢を学ぶことも大切なテーマとなるかもしれません。
補足情報のリンク
コンテンツサイト:FIRE -経済的自立、早期引退- とは、またFIREは可能なのか?
メルマガ:金融教育ってなに?
note:「厚切りジェイソン」もFIREしているそうだ!
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