お金の教育には次の4つの学習カテゴリーがあります:稼ぐ、使う、貯める、運用する。今回の記事では特に「稼ぐ」ことについて学びを深めたいと思います。
【お金の教育】
お金の教育はそもそも、社会と健全に関わりながら、経済的に自立し、より豊かな生き方を実現する為のスキルを獲得することが目的となります。さらに現在であれば、健康的に長く生きることが出来れば誰にでも待っている、老後の生活資金の問題への取り組みも目的の一つとなります。
現在の日本はそもそも消費税が10%と定められている中、物価の上昇も顕著になり始めています。半面、なかなかお給料が上がらないという現実もあります。さらには老後の年金の受給額も目減りしていくという事さえニュースなどで見聞きします。
このような厳しい現実が顕著になる中で、政府は高校生を対象に資産形成の授業を義務化し、国民の金融リテラシーを高める取り組みを開始しました。
今後、お金の教育の価値がますます高くなっていくことは間違いのないことだと考えてよいのだと思います。
【稼ぐことを学ぶ】
家庭でお金の教育に取り組む際、「稼ぐ」事を学ぶ為には各家庭で作業タスクを設定し、さらにはそれらのタスクに金額を設定します。
そして子供たちが各家庭で設定された作業タスクを消化することで、作業の価格と同等のお小遣いを手に入れることになります。
この取り組みを繰り返すと子供たちは次のような事を学び始めます。
- 「稼ぐ」ことに上限がある
- 「稼ぐ」事はコツコツ作業である
- コツコツ「稼ぐ」事を積み重ねると、お金がどんどん貯まっていく
【社会を学ぶ】
実際に家庭でお金の教育に取り組み、子供たちにお小遣いを「稼ぐ」という経験をしてもらう事で、お父さんやお母さんが仕事でお金を稼いでいる事がどういうことかを疑似体験してもらう事が出来ます。そしてお金はコツコツしか稼げない事であったり、一気に増えない事なども併せて学びます。
確かにお小遣いは親の思いやりから楽しい学生生活を送ってほしいという願いもあり、わざわざ作業タスクなどを設定せず、毎月決まったお小遣いを「与える」定額制や必要な時に必要な分のお小遣いを与える「都度制(一時金制)」で与えることも理解できます。
しかしながら、せっかくお金を与えるのであれば、今後金融リテラシーの向上がますます求められる社会と向き合う前に、お金の教育に少しでも取り組めた方が有意義な体験となるのではないかという事も考えられるわけです。
これは筆者宅での経験ですが、毎週日曜日のお昼はマクドナルドを食べる習慣があるのですが、ある土曜日に計画外の出費があった際に、明日は節約してマクドナルドに行くのはやめて家でお昼を食べようね、という事を子供たちに話した際、子供たちの理解力がついてきていると感じた事がありました。
筆者宅の子供たち、特に5歳児の長女にとっては、マクドナルドのハッピーセットについてくるおもちゃを毎週楽しみにしているので、今までは日曜日のお昼にマクドナルドに行けないと文句が出ましたが、お金の教育に取り組むようになり、この態度に大きな変化があったことはやはりお金の教育に取り組んだ成果だと感じました。
【向き不向きを学ぶ】
また実際に家庭で作業タスクを設定したり、報酬を与えないお手伝いなどを通じて、子供がお金に対してどのような傾向があるのかも知ることが出来ます。
筆者宅の長男は今年の1月より「資産運用」に取り組んでいますが、お金が増えると一定の嬉しさはあるものの、能動的にどうやったらもっと増えるのだろう?という事への意欲はまだまだ薄いように感じます。
しかし反面、YouTubeの動画を見てうどんのタレを作ったりすることに関しては本人は能動的に取り組んでいます。
また、お小遣いを与えないお手伝いとして当初はクイックルワイパーを使用した床掃除をお願いしていました。
しかしながら、ある時、床掃除が本人にとってはとても苦痛であり、他のお手伝いに変えて欲しいとの訴えがありました。そして彼は夕ご飯の食器洗いを手伝ってくれるようになったのです。
すでに中2で反抗期でもあるにも関わらず、台所で食器を洗う事は面倒だと感じつつも、文句も言わず夕ご飯の食器洗いを継続してくれています。
これらの事から見えてくるのは、金融商品を使って色々とお金を増やしたりすることへは興味が働いておらず、キッチンに立つことは本人はもともと興味や好奇心が強く働いているという事も見ることが出来るようになるのです。すなわち、キッチンに立つ事がそもそも苦ではないという事です。
さらにしばらく前の事ですが、職業体験でキッザニアに行った際、色々な制服を身にまとって撮影した写真を見ましたが、ケーキ屋さんの制服を着た彼の写真が一番はっきりとした笑顔になっていました。
このように、お金に関しての彼の興味や好奇心、さらには意欲などがより明確になる事もお金の教育に取り組むメリットになります。
【進路選択へと繋がる学び】
子供たちは大きくなると経済状況が許されれば大学へと進学していくことになります。
しかしながら、大学の学部はどのように選べばいいのでしょうか?
大学の学部選択は将来の職業選択に繋がる布石のような役割もあります。例えば弁護士になりたければ法学部、お医者さんになりたければ医学部、科学者になりたければ理系の学部へ進学していくことになります。
しかしながら、自分が何に向いているか、そして何よりも、何に興味があるのかが明確になっていなければ、なかなか進路の選択は明確になりません。
このような状況になる一つの理由としては、高校までは学力で進学する高校を選ぶ事が慣習となっていることがあげられるかもしれません。将来のキャリアなどはスポーツ推薦のように限られた生徒だけが経験するような進路となります。
しかし大学は今後のキャリアを想定して、学部選択をすることになるのです。
お金の教育に取り組んでいると、疑似体験ではありますが、お小遣いを稼ぐ際にどのような作業を好んで取り組むのか、さらには、さらに稼ぎたい場合にどのような取り組みに能動的に取り組むのかという事が自然と明確になってくるようになるのです。
【まとめ】
子供には子供らしい成長があり、大人とは取り組むべきことが異なっていても良いという考え方は当然あると思います。
しかし時間が経てば必ず向き合わなければならない社会の現実と向き合う前に、少しずつ家庭内で教えられることを教え、手に入れることが出来る学びを手に入れていくことは、必ず本人の人生にとって財産になると考えているのです。また、お金の事を保護者から直接学ぶこと自体も財産となるのです。
お金の教育はまだまだサービス自体の歴史が浅く、どのようなメリットが子供に与えられるかはこれから更に明らかになってくると思います。
しかしながら、すでにGAZKID$ではお小遣いを「稼ぐ」という取り組みが本人の興味や好奇心、意欲が働く対象をより明確にしていく手助けをしてくれるという事が分かってきています。
社会経験は家庭から始めることが出来るのです。
社会に向き合う前に社会のルールを教え、その中で子供たちが、社会と健全に関わりながら、経済的に自立し、より豊かな生き方を実現する為のスキルを一つ一つ身に着けていってもらうことこそ、家庭でお金の教育に取り組む目的となるのです。
補足情報のサイト:
コンテンツサイト:FIREと資産形成は夢ではなく人生の取り組み課題となった
note:「お小遣いを与えること」は金融教育の始まりである
note:「やらされる事」と「やりたい事」の違い
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